研究課題/領域番号 |
17H04038
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
秋山 泰身 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (50327665)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2019年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2018年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2017年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 自己免疫 / 胸腺 / Tリンパ球 / 上皮細胞 / 転写制御 / T細胞 / 遺伝子発現 / 転写因子 / 免疫学 / 発生・分化 |
研究成果の概要 |
髄質上皮細胞は、多種類の組織特異的タンパク質を異所的に発現して抗原提示し、それら自己抗原に応答するT細胞を胸腺内で除去することで、自己免疫疾患の発症を抑制する。転写因子AireとFezf2は、髄質上皮細胞における組織特異的タンパク質の遺伝子発現を制御するが、両者では発現制御を受けない組織特異的遺伝子が多数存在する。本研究では、組織特異的遺伝子の発現を制御する因子としてAscl1を同定した。Ascl1は髄質上皮細胞のクロマチン構造を変換することで、組織特異的遺伝子の発現を制御する。さらにその破綻は全身性の自己免疫を惹起した。すなわち、本課題により自己免疫を抑制する新たな制御因子が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自己免疫疾患の発症を抑制している機構を理解することは、その治療のみならず予防の面でも重要である。本研究では、リンパ組織である胸腺による自己免疫疾患発症抑制に着目した。免疫応答に重要なTリンパ球が胸腺で分化するが、その一部は、自己組織で機能するタンパク質に応答するTリンパ球となる。これら自己応答性Tリンパ球の除去に胸腺上皮細胞が重要である。胸腺上皮細胞は、自己応答性Tリンパ球を除去するために、自己組織のタンパク質を異所的に発現する特殊な性質を持つ。本研究により、胸腺上皮細胞の特殊な性質を担う、新たな因子が明らかになった。今後、この知見を利用して自己免疫疾患の発症機構の理解が進展すると期待できる。
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