研究課題
基盤研究(B)
大腸がんの転移巣で高発現し、がん悪性化に関わる分子phosphatase of regenerating liver（PRL）の働きによって、細胞のpH応答性が変化して、酸性環境で選択的に増殖できるようになることを見つけた。また、この基本的な仕組みとしてリソソームが細胞膜と融合して内腔の物質を放出するlysosomal exocytosisを活性化していることを明らかにした。
がん細胞は特殊なエネルギー代謝をしており、そのためがん細胞を取り巻く微小環境は酸性化していることがよく知られる。通常の細胞にとって毒性的な酸性環境に抗して、がん細胞が活発に増殖できる仕組みを本研究で明らかにした。細胞の基本的な環境応答に関する新たな分子機構の解明としての価値があると共に、この仕組みを人為的に操作することによって新たながん治療法の開発にもつながる可能性がある。
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