研究課題
基盤研究(B)
従来のオルガネラコンタクトの観察方法は、免疫組織染色や電顕観察による2次元的な解析が用いられてきたが、2次元的解析では正確な定量が困難であった。私たちは、マウス脳を用いて3次元走査電子顕微鏡を用いて一つの神経細胞に存在するほぼすべてのミトコンドリアと小胞体の接着構造(MAM)の実態を可視化することに成功し、MITOLが生体内においてもMAM形成に必須であることを証明した(Life Science Alliance 2019)。さらに、MAMが小胞体ストレス応答の場として重要な役割をしていることを明らかにした(EMBO J. 2019)。
オルガネラコンタクトは時空間的にダイナミックに変動する立体的な機能領域であり、2次元的解析では、近接した小胞体とミトコンドリアの切断位置によってMAMの有無が異なることから重大な欠陥が指摘されていた。実際にMAMを制御するMfn2に関して、解析法の違いから相反する結果が報告され混乱を招いている。私たちが3次元走査電子顕微鏡を用いてミトコンドリアとMAM構造の実態を3次元で可視化することに成功したことより、生体内の膜コンタクトの観察には3次元解析が有用かつ不可欠であることを示すことができた。今後、3次元解析技術を駆使することによりオルガネラコンタクトの基本原理の解明が期待される。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
EMBO J.
巻: 38 号: 15
10.15252/embj.2018100999
BIO Clinica
巻: 32 ページ: 782-787