研究課題
基盤研究(B)
本研究は、DNA損傷応答機構と核内複製するRNAウイルスの関連性について分子メカニズムを解明することを目的に実施された。本研究では、DNA損傷センサー分子であるIFI16が、核内でのボルナ病ウイルスの複製を認識して宿主応答を引き起こすことを見出した。また、DNA損傷応答に関わるDNA-PKがボルナ病ウイルスの複製場に局在し、複製に関与することを明らかにした。さらに、DNA損傷応答にも関与する核内のRNA編集酵素ADAR2がボルナ病ウイルスのゲノムRNAにA-to-G編集を導入することで自然免疫応答からの回避と持続感染の成立に寄与していることを示した。
本研究により、核内で増殖するボルナ病ウイルスが、宿主によりDNA損傷と認識され、細胞のDNA損傷反応を誘導するとともに、ウイルスが宿主のDNA損傷機構を利用して複製や感染を成立させている可能性を見出だした。本研究は、核内複製RNAウイルスが宿主ゲノムの損傷機構と関連することを示唆する初めての成果であり、今後、インフルエンザウイルスなどその他の核内複製RNAウイルスの複製阻害や病原性発現のメカニズムの解明へとつながる成果であると考えられる。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 7件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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