研究課題
基盤研究(B)
本研究では、放射線損傷を受けた組織幹細胞に対する間葉系幹細胞(MSC)の生物学的作用を解明するとともに、種々の放射線惹起性臓器障害に対するMSCを用いた新たな組織再生治療法を開発するための基盤となる科学的根拠の確立を目指した。全身放射線照射(TBI)を前処置に用いたマウスモデルでの検討により、骨髄由来のMSCに由来する細胞外小胞(EVs)が造血細胞移植後の移植片対宿主病の改善に寄与するとともに、全身放射線照射後に発症する消化管の粘膜障害を修復し得ることが確認された。また骨髄MSC由来EVsの組織保護作用を担う候補分子としてmiR-125a-3pを同定した。
チェルノブイリ原子力発電所事故、東海村JCO臨界事故、福島第一原子力発電所事故等、現代社会は急性放射線障害が発生するリスクとの共存を求められている。また、放射線は、各種のX線検査、悪性腫瘍の治療など日常的な医療に汎用されているが、一部の患者に起こり得る医療用放射線使用に関連する組織障害への根本的な治療法は開発されていない。したがって、本研究の成果により、骨髄や脂肪組織に由来する間葉系幹細胞を放射線障害の細胞治療医薬品として開発する道筋が得られたことの意義は非常に大きい。
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