研究課題
基盤研究(B)
我々はヒト多能性幹細胞(ES細胞、iPS細胞)からの大脳オルガノイドに成功し、国際誌に報告した(Sakaguchi et al. Stem Cell Rep. 2019)。続いて、このヒト大脳オルガノイド細胞をマウス大脳に移植し、細胞生着や軸索伸展を検討した。その結果、分化早期(6週)オルガノイドの方が後期(10週)と比べてより多くの軸索をより遠くまで(脊髄まで)伸ばすことが明らかになった。しかし、より多くの増殖性神経前駆細胞を含むため移植片の過増大が認めらるという課題も明らかとなった。この結果は国際誌に現在投稿中である。
脳血管疾患の患者数は100万人を超え、その後遺症による運動麻痺は要介護原因の1位を占める。その他、頭部外傷や筋萎縮性側索後遺症(ALS)など皮質脊髄路を形成する大脳運動ニューロンの障害のために非可逆的な運動機能低下に陥る患者は多く、患者福祉はもちろん医療経済的にもその治療法開発は急務である。本研究では、細胞移植と遺伝子治療の相乗効果により皮質脊髄路を再構築し、運動機能低下に対する再生医療技術の確立を目指す。この成果は脳血管障害患者の症状改善だけでなく、全ての脳機能障害患者の症状改善に対する本質的かつ革新的治療アプローチとなる可能性を含んでいる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 6件) 産業財産権 (1件)
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