研究課題/領域番号 |
17H04321
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
小幡 英章 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (20302482)
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研究分担者 |
山中 章弘 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (60323292)
林田 健一郎 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (40769634)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2017年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 青斑核 / 反復社会的敗北ストレス / ノルアドレナリン / 反復社会的敗北モデル / グルタミン酸トランスポーター / 下行性抑制系 / ドパミン / 腹側被蓋野 / 腹側被害野 |
研究成果の概要 |
精神的ストレスが内因性鎮痛系の中でも、特にノルアドレナリン作動性下行性抑制系に及ぼす影響について、ラットを用いて研究を行った。精神的ストレスには反復社会的敗北ストレス(repeated social defeat: RSD)モデルを用いた。 RSDによって精神的ストレス負荷を加えることで、内因性鎮痛は対象群と比較して低下した、細胞外記録による実験で、痛みや薬剤に対する青斑核の反応性の低下が認められた。青斑核におけるアストロサイトのグルタミン酸トランスポーター(GLT-1)の発現がRSD群では低下していた。精神的ストレスによって青斑核で機能的変化が生じ、内因性鎮痛系が減弱していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、精神的ストレスは青斑核機能の可塑的変化によって、ノルアドレナリン作動性下行性抑制系の起用不全を引き起こし、内因性鎮痛を減弱させることが見いだされた。内因性鎮痛の低下は痛みの慢性化に大きく関与していることが知られている。慢性痛は医療費増大や労働力低下による社会的損失が甚大である。精神的ストレスが慢性痛の諸症状を悪化させることは臨床的にもよく知られている。しかし、その詳細な機序に関しては明らかになっていない。本研究の結果は、精神的ストレスが内因性鎮痛系の減弱を引き起こすことを強く示唆するものであり、社会的意義は大きいと思われる。
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