研究課題/領域番号 |
17H04525
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
佐々木 愛 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (00362905)
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研究分担者 |
戸田 裕司 常葉大学, 外国語学部, 教授 (10242794)
小川 快之 国士舘大学, 文学部, 教授 (10400798)
大澤 正昭 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (30113187)
石川 重雄 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (50636678)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 中国 / 墓葬 / 家族 / ジェンダー / 宋代 / 墓 / アジア史 / 東洋史 |
研究成果の概要 |
研究期間中に福建・江西・浙江において宋墓を中心とした墓の現地調査を行い、32箇所の墓について調査研究を行った。調査の結果、これらの地方では家族墓地を設けず、家族成員ひとりづつについて葬地をもうけて葬る単葬墓形式であるのが一般的であることを明らかにした。この事実は、斯界の名著・滋賀秀三『中国家族法の原理』とは異なるものであり、滋賀家族法の原理の三原則の一つ「夫妻一体」をささえる夫妻同葬が成立していなかったことを示している。さらに母子の墓を接近して作る諸例も『中国家族法の原理』とは矛盾するものであり、『中国家族法の原理』を地域的な偏差の相のもとで再検討する必要があることを示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の中国ではその強い父系制の親族観念が様々な社会問題を惹起していることで知られる。そして斯界の名著である滋賀秀三『中国家族法の原理』は、中国の強い父系制の家族法は漢から清まで二千余年にもわたり基本的に一貫していると説く。しかし我々は中国での墓の現地調査によって、『中国家族法の原理』が立論の根拠としていた事象が宋代中国南方にはあてはまらないことを明らかにすることができた。これまで二千年間一律とされてきた中国の家族法にあっても歴史的地域的に変化するジェンダー(社会的文化的性)の観点から捉えられることを示せた研究である。
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