研究課題/領域番号 |
17H04601
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生物資源保全学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩田 明久 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (20303878)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2019年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2018年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2017年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 生物資源保全 / 生物多様性 / 外来生物 / ピーコックバス / タイ / 地域研究 |
研究成果の概要 |
近年タイでピーコックバスが野外で確認され生態系に悪影響を与える懸念がある。調査地はラヨーンとした。本種は魚類とテナガエビ類を捕食し、安定同位体比分析から食物網の最高次に位置し肉食性在来種と競合する可能性が高く侵略性が強いと推定され定着していることも分かった。定着場所の貯水池に接する環境はタイ唯一の泥炭湿地で水産資源の他に水も上水として利用され持続的利用の期待は高い一方、貯水池はゲームフィシング以外殆ど無かった。 2020年に水産局特定外来魚法制定部局等と公開シンポジウムを開催し、文理融合的視点から、予防原則に則った対策を行い、他の場所への放流を厳禁とし、駆除に資す学術調査実施の必要性を提言した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タイでは今まで多くの外来魚が移入され、ピーコックバスはその中で最も肉食性の強い種類として生態系への悪影響が懸念されているが学術的な調査は全くされていなかった。本研究は胃内容物調査に加え、安定同位体比分析により食物網の位置等を可視化して影響の評価を行う等、自然科学的手法に加え、調査地とその周辺での生態資源利用やそれらの持続的利用に関する意識等を社会学的手法で行った文理融合的研究であり学術的意義は大きい。 これらの成果をタイの特定外来魚法制定部局のある水産局と共有するとともに、将来における本種への具体的対応策を提言したことは当該国の今後の水産資源利用に多大な貢献を成すものである。
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