研究課題
若手研究(A)
本研究では、北西太平洋で捕獲された海洋大型生物中の水銀安定同位体比を計測することで、当海域における水銀動態解析に応用するとともに、水銀安定同位体比の生態研究に対する応用性を評価した。具体的には、(1)北西太平洋各地域から採取されたカツオ中水銀安定同位体比のバリエーションと変動要因解析、(2)Mass balance modelカツオへの水銀蓄積速度の解析、(3)海棲哺乳類への水銀濃縮機構の解析、を実施するとともに、環境からヒトまでの水銀フロー解析への有効性を評価するため、既存研究を包括した解析も実施した。
水銀は広域的な汚染物質として世界的に認識され、2017年の水銀に関する水俣条約の発効を受け、その環境動態の詳細な理解に基づく条約の有効性評価が求められてきた。微量元素の動態を詳細に調べるには安定同位体比の活用が有効だが、高度な技術を要するため分析できる機関は世界的にも限られていた。本課題では北西太平洋を対象に海洋生物中の水銀安定同位体比を測定することで、当海域の生態系を介した水銀の循環について新しい知見を得た。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件)
ぶんせき
巻: 11 ページ: 492-496