研究課題/領域番号 |
17H04714
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石原 康宏 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 准教授 (80435073)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
24,180千円 (直接経費: 18,600千円、間接経費: 5,580千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2017年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | ミクログリア / 化学物質 / 発達神経毒性 / 神経回路機能 / ケモカイン / 行動異常 / エピジェネティクス / 神経回路網形成 / バルプロ酸 / 脳内炎症 |
研究成果の概要 |
本研究では、胎児期バルプロ酸曝露の発達期ミクログリアおよび神経回路機能への影響を調べた。生後10日目にミクログリア活性をIba1/CD68染色により測定したところ、バルプロ酸を胎児期に曝露したマウスの海馬CA1領域で顕著な細胞体の肥大とCD68発現亢進が認められ、ミクログリアが活性化していることが明らかとなった。この時、海馬CA1領域の興奮-抑制バランスが興奮側にシフトしていた。ミノサイクリンを母体に飲水中投与したところ、ミクログリアの活性化が抑制され、興奮-抑制バランスが回復した。従って、胎児期のバルプロ酸曝露は発達期のミクログリアを活性化し、神経回路機能異常を引き起こすことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、発達期のVPA曝露がミクログリア活性化を介して神経回路機能の障害や成長後の行動異常を引き起こすことを示唆した。発達期において、ミクログリアが化学物質の標的となっていることを示した点で意義があり、バルプロ酸だけでなく他の発達神経毒性を引き起こすとされる化学物質へと発展させることができる知見であると考えている。また、発達神経毒性の分子メカニズムについては不明な点が多いが、ミクログリアの関与が示されたため、ミクログリアを拠点としたメカニズムの解明や、ミクログリアに効く創薬への発展も期待される。
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