研究課題/領域番号 |
17H04720
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然共生システム
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
工藤 宏美 東京大学, 大気海洋研究所, 海洋科学特定共同研究員 (80649757)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2019年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2018年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2017年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 絶滅危惧種 / 移動性野生動物 / ウミガメ / 行動可塑性 / 行動シンドローム / パーソナリティ / 生息圏 / 生息域外保全 |
研究成果の概要 |
本研究では、状況に応じて行動を変える能力を示す行動可塑性の高い個体の性格を調べ、動物自身が新たな生息環境を探し増殖して野生復帰する生息域外保全の新手法を提案する。この新手法の適用する個体を選定するため、室内実験を行い、行動可塑性の高い個体の性格(大胆さ・新奇探索性)を調べた。その結果、性格が大胆で探索性の高い個体に偏る個体は行動可塑性が高いことがわかった。また、特定した性格と、野外で餌を探索する移動範囲との関連性を調べた。その結果、大胆で新奇探索性が高い行動可塑性の高い個体は、野外で広い範囲を移動する個体が多かった。また、移動範囲は、大胆さとは関係なく新奇探索性と関連性を示すことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、海洋での生態の詳細が不明である種絶滅危惧種、ウミガメ類を対象に、従来の生態そのものを管理する保全方法ではなく、本来種が示す習性(行動可塑性の高い性格)を利用することにより、個体数を増やす方法を提案する国内外において初めての試みである。今回の研究では、行動可塑性の高い性格がアオウミガメにも存在し、野外での摂餌回遊行動に関係があること、またこの性質は生息域によって異なる可能性があることを示した。この結果は、従来の生息域外保全を本研究の方法を加えることによって、生態が不明な絶滅危惧種にも適用可能になる点に意義がある。
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