研究課題
若手研究(A)
心筋細胞の膜特殊構造であるT管膜は,細胞の効率的な収縮・弛緩に必要不可欠である.T管膜構造の崩壊は,心不全発症の引き金になることから,本研究では,マウスの心不全の進行過程を経時的・多面的に解析することで,T管膜構造の支持機構と崩壊機序の解明を目指した.結果として,T管膜と筋小胞体を物理的に結ぶJunctophilin-2の局在異常がT管膜の崩壊を引き起こすことを明らかにした.Junctophilin-2の局在異常を引き起こす因子を制御することで,T管膜構造を維持出来る可能性を提示した.
高齢化に伴い,心不全患者数が増加しており,その対策は喫緊の課題です.心筋細胞の特殊膜構造であるT管膜の崩壊は,心不全発症の引き金になることが知られていますが,その崩壊のメカニズムは不明でした.本研究では,マウスの心不全進行過程を詳細に解析することで,T管膜の崩壊するメカニズムの一端を解明しました.この成果は,T管膜の崩壊に起因する心不全の早期診断やT管膜構造の維持による新たな心不全治療の開発に貢献すると考えられます.
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