研究課題
若手研究(A)
実験動物の身体活動に着目し、身体活動量の多寡がどのように決定されているのか、さらに身体活動量の増減が脳にどのような適応・不適応をひき起こすか検討した。研究の結果、マウスの飼育環境を変化させても身体活動量は変化せず一定に保たれること(身体活動量の恒常性)、さらに身体活動量の恒常性を保つためには社会的交流が必須であることが明らかとなった。また身体活動量の絶対量を増やすことは脳機能を高めるための十分条件ではなく、社会的交流の存在下で身体活動を行うことが重要であることが明らかとなった。以上の結果は、身体活動量の調節に対する生物学的理解を深め、身体不活動を防ぐための有効な基礎的知見となる。
運動が心身の健康増進に重要であることは疑う余地がない。しかしながら、意欲のない者に運動を実施・継続させることは困難を極め、その解決に向けた基礎研究も乏しい。そこで本研究は「そもそも生体の身体活動量はどのように調節されているのか」を明らかにすることを目指し、その結果、たとえ環境が変化しても身体活動量は至適レベルで維持されること、さらに身体活動量の恒常性を保つためには社会的交流が必要であることが明らかとなった。現行の身体活動基準は強度と量だけで規定されているが、本研究は身体不活動を防ぐためには新たに社会的交流の有無を含める必要性を強く示唆している。
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