研究課題/領域番号 |
17H04769
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松本 卓也 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (90782566)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 精神分析 / 狂気 / 創造性 / 病跡学 / 自閉症 / ラカン / ドゥルーズ / ハイデガー / 統合失調症 / 思想史 / 精神病理 |
研究成果の概要 |
本研究は、西洋思想における「狂気と創造性」の問題をめぐって行われた。この2つを関連付ける議論はプラトンの時代からあるが、その神的狂気の議論に始まり、次第にメランコリーが創造性と関連付けられるようになる過程が検討された後、デカルト、カント、ヘーゲルらの議論における狂気の取り扱いを、フーコーが述べた17世紀のおける「狂人の監禁」とその文学における回帰として論じた。さらに、ヘルダーリンを中心にこの問題が統合失調症(精神分裂病)という病との強い関連のもとで捉えられるようになった過程を検討した。また、20世紀の思想におけるハイデガーの「詩の否定神学」の議論に対する応答としてフランス現代思想を再解釈した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの西洋思想史においては「メランコリーと創造性」についての研究は一定の蓄積があるが、射程を「狂気」にまで広げ、特に近代以降に出現する統合失調症を患っていたと考えられる傑出人についての病跡学的検討とそれらの研究を結びつけるものはほとんど見られなかった。本研究では、狂気の問題に着目したフランス現代思想の立場から、病跡学という学問について批判的に検討し、さらに西洋思想史を通覧することで、「狂気と創造性」というテーマについて一定の思想史を描くことができた。また、研究成果については一般向け書籍や、国内海外における公開シンポジウムの形で広く社会に向けて成果発表を行うことができた。
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