研究課題
若手研究(A)
本研究では、従来は厚膜化に不利とされていた低分子ドナー:フラーレン系の標準的な材料であるZnPc:C60の光電変換層を結晶化することで確認した、高分子系の最適値より厚い500 nm以上の膜厚において、定在波を利用するよりも高い電流密度と量子収率を得られる現象、を様々な材料系に適用し、より高い光電変換効率を示す材料でも実証することを目的とした。その結果、従来より高い電流密度は得られなかったものの、多くのドナー材料で同様の傾向を確認した。また、今後この手法を適用するための新規低分子系アクセプター材料を選定できた。
本研究の開始時の背景としては、有機薄膜太陽電池の研究開発において、低分子真空蒸着系と高分子塗布系で報告されていた光電変換効率の最高値は同程度であった。その後、高分子塗布系においては、非フラーレンアクセプターの新規合成により急激に光電変換効率の向上が報告されている。本研究成果においては、低分子真空蒸着系の有機薄膜太陽電池において、光電変換効率の向上こそは得られなかったものの、多くのドナー材料において厚膜化が可能であることや低分子真空蒸着系に用いることのできるアクセプター材料を見出したことは、今後、低分子真空蒸着系においても高分子塗布系と同様の光電変換効率の向上を見込めることを示唆している。
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Frontiers in Energy Research
巻: 8
10.3389/fenrg.2020.00004
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 57 号: 3S2 ページ: 03EJ05-03EJ05
10.7567/jjap.57.03ej05
210000148785
https://www.tuat.ac.jp/NEWS/winning/20171222_01.html