研究課題
若手研究(A)
SCRIT電子散乱施設にある電子スペクトロメータの前段飛跡検出器を新しく作り変えたことで、散乱電子の軌跡を3次元的に再構成することが可能となった。また、本研究課題で製作した3次元駆動型3次元磁場測定装置を用いることで、電磁石内の磁場マップを作成、スペクトロメータの運動量分解能向上を図った。さらに、新たに製作した炭素薄膜標的を用いることで、散乱電子の運動量スペクトルに見られる弾性散乱ピークの幅からスペクトロメータの性能評価を行った。特に、弾性散乱ピークの隣に炭素の第一励起状態(4.4MeV)のピークを分離して観測することに成功した。これにより、来る不安定核標的を用いた実験の準備は完全に整った。
電子散乱は物質の構造を調べる上で強力な手法である。これは原子核構造に対しても同様で、1950年代にその有用性が示されて以来、原子核の基本的な性質の多くが電子散乱によって明らかにされてきた。近年世界中で活発な研究が行われている、短寿命・不安定核の性質を電子散乱で調べることを可能にするのがSCRIT法である。本研究課題では、SCRIT実験にて使用する電子スペクトロメータを要求性能を満たすように改良・発展させるもので、ほぼ成功裏に完了した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 6件、 招待講演 4件)
Hyperfine Interactions
巻: 102
Nuclear Physics News
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