研究課題
若手研究(A)
高解像度全球非静力学モデルによる気候実験データを温帯低気圧および前線に着目して解析した。モデルは衛星観測から得られた特徴的な降水分布をよく再現できていること、海洋性の温帯低気圧に伴う降水量と地上気温の間には半球および気候に依存しない関係があること、特に強い温帯低気圧については地上気温に対する降水量の増加が大きいこと、を明らかにした。また、モデルは前線の存在頻度分布をある程度再現し、将来気候では頻度の減少と低緯度側へのシフトが予測されることを確認した。
数値モデルによって得られた降水量と地上気温の関係が現実にも存在すると仮定すると、本研究結果は衛星等による高い信頼性を持った全球降水観測を長期間に渡って実施することで、将来気候における降水変化を制約できることを示している。これは、中緯度における降水量の将来気候変化予測の信頼性を高めることにつながる社会的意義の大きな結果である。前線頻度の将来変化については温帯低気圧そのものの将来変化では説明できず、これまでにない予測結果を提示している可能性がある。
すべて 2021 2020 2019 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Geophysical Research Letters
巻: 46 号: 21 ページ: 12435-12444
10.1029/2019gl084001
Atmospheric Chemistry and Physics
巻: 19 号: 2 ページ: 1147-1172
10.5194/acp-19-1147-2019
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20191114/