研究課題
若手研究(A)
熱伝導率は地球内部の温度構造と熱進化を探るための基礎的な物理量であるにも関わらず、実際の地球中心核の温度圧力条件での測定例は殆ど存在しない。本研究の目的は、地球の核を構成する鉄ー軽元素合金の熱伝導率を実際の地球中心核の温度圧力条件で実測することである。代表者が開発・実用化を行った高圧下その場熱伝導率測定法と核条件に相当する高温の発生技術を組み合わせることで、地球中心核条件での鉄および鉄合金の熱伝導率測定が可能になった。また、正確な熱伝導率決定のために、高圧その場における試料のX線3次元形状観察手法の確立がなされた。
本課題によって地球マントル、中心核条件での物質の熱伝導率測定手法が確立した。今後、この手法をもちいて地球・惑星深部物質の熱物性が広く計測されていくことで、惑星内部の温度構造や熱進化への理解が大きく進むと期待される。極限環境下での物質の熱物性測定法は高機能材料の開発や物性物理理論の検証などの他分野での応用も大いに期待が持てる。本課題によって、鉄の高圧相の伝導度には結晶方位異方性があることや、溶融鉄の伝導度測定の困難さが浮き彫りにされた。地球中心核は液体、固体の2層構造を成しており、核の熱進化のさらなる理解のために取り組むべき新たなテーマが明らかにされたことも成果の一つと言える。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 9件、 招待講演 2件) 備考 (3件)
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