研究課題
若手研究(A)
粘弾性体におけるキャビテーション気泡の静的・動的力学特性を定量評価するための,実験・プリセット型球形気泡力学モデル連成による粘弾性計測法を開発した.パルスレーザ集束照射により生成した粘弾性ゼラチンゲル中の球形ガス気泡核のサイズを,溶存ガスの物質移動に基づき準静的に制御した.生成した気泡核を起点とするキャビテーション気泡の自由振動および超音波照射下の強制振動を高速度カメラで撮影し,気泡の動的応答に対する気泡核サイズの影響を実験的に取得した.気泡の静的・動的力学応答とプリセット型モデルの比較により,ゲル粘弾性の周波数応答を超広域に算定した上で,気泡の非線形力学おける粘弾性効果の定量評価を実現した.
本研究で提案した超音波気泡の体積振動の可視化と気泡力学モデルの連成に基づく気泡周囲媒質の粘弾性特性の取得手法により,商用レオメータの計測限界(100 Hz程度)を大幅に超える高ひずみ速度下での粘弾性計測が可能となった.医療分野では,非侵襲の治療法として超音波が用いられており,高ひずみ速度下における粘弾性特性の取得は医療応用上も極めて重要と言える.
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Physics of Fluids
巻: 31 号: 11
10.1063/1.5128887
巻: 30 号: 5
10.1063/1.5026713
http://www.kando.mech.keio.ac.jp