研究課題
若手研究(A)
都市や建築空間中に存在する未知の汚染物質発生源に起因する空気汚染に関して、センサーによる濃度計測値とコンピュータによる気流および濃度予測値をベイズ統計と呼ばれる確率論的方法論で融合し、より高い精度かつ高い空間解像度で環境中の濃度分布推定を行う方法を開発した。この方法の構築に必要とされる各要素技術の拡張や高精度化、高効率化を行うとともに、実験データなどをもとにした実証解析により提案した各手法の有効性を明らかにした。
都市や建築といった環境中の空気汚染の解析においては、計測またはコンピュータによる解析のどちらかを選択するというのが従来の基本的な考え方であった。しかし、両者にはそれぞれに長所および短所が存在する。本研究の成果は、両者を有機的に接合することで、互いの短所を補いつつ長所を強め、従来の方法論ではなし得なかった高い精度および高い空間解像度での空気汚染物質濃度の評価を実現するものである。本研究では、このような考え方に基づく濃度解析において、学術的にも新たな知見を多く提供するとともに、最終的には人々の居住空間の空気の質を高め、その健康や快適性の向上に資することを目指した。
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