研究課題
若手研究(A)
本研究では、「分極回転」機構に基づいた圧電体材料の設計を行った。その結果、非鉛圧電体であるBiFe1-xGaxO3薄膜について「分極回転」の効果を効果的に利用できるように薄膜の配向を工夫することで、圧電特性を向上させることに成功した。一方、本研究を進める過程で、BiFe1-xCoxO3薄膜が室温で強誘電性に加えて、弱強磁性を示すことを見出した。強誘電性秩序により発生する電気分極と弱強磁性には相関が存在することを確認し、さらに電場による磁化反転を実証することに成功した。
非鉛圧電体であるBiFe1-xGaxO3薄膜について「分極回転」の効果を効果的に利用できるような配向制御をすることで、圧電特性を向上させることに成功した。分極回転という圧電体の材料設計指針を実証できた点で非常に重要な成果である。また、マルチフェロイック特性を有したBiFe0.9Co0.1O3薄膜については、室温での電場による磁化反転を実証できた。この成果により、電場により制御可能な省電力の磁気メモリ実現の路が拓かれたと考えている。
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