研究課題
若手研究(A)
本研究では、CRISPR/Cas9、オーキシン誘導デグロン(AID)、光操作という先端技術をヒト培養細胞に用い、等分裂の前提となる分裂期紡錘体の形成と配置制御の仕組みについて研究を行なった。光操作を用いて、紡錘体牽引装置の機能中枢を同定し、AIDを用いて、分裂期Ran-GTPの紡錘体形成機能について理解を進めた。それぞれの成果を、eLife誌とCurrent Biology誌に公表した。
多細胞生物の発生過程において、細胞は「紡錘体の細胞内配置」を巧みに制御することによって、細胞内外の極性因子の分配や娘細胞のサイズを決め、多様な組織を形成している。紡錘体の配置は、細胞表層に構成される紡錘体牽引装置によって制御されるが、本研究によって、その機能中枢は、Dynein-Dynactin-NuMAの集合体であることを明らかにした。また紡錘体の配置を光で操作することにも成功したため、今後、細胞分裂の対称性・非対称性制御の理解を進めることができる。またAID法を用いて、分裂期特異的に標的タンパクを分解する系の樹立にも成功した。本成果は、今後様々な紡錘体関連因子の機能の理解に貢献できる。
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bioRxiv
巻: 1 ページ: 1-31
10.1101/473538
eLife
巻: 7 ページ: 1-24
10.7554/elife.36559
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20180709_sci_1.pdf