研究課題
若手研究(A)
本研究では、神経細胞の一次繊毛の形成を制御する細胞外分子の同定および細胞内シグナル伝達機構の解析を中心に研究を進めた。神経成長因子およびドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸の刺激により神経細胞の一次繊毛の形成が促進されることを見出した。さらに、これら細胞外からの刺激により、細胞内カルシウム濃度上昇を経た転写因子NFATの活性化とCOX-2の発現上昇さらに、PGE2の産生が一次繊毛の形成を促進する新たな機構を見出した。
本研究ではこれまで理解が進んでいなかった神経細胞の一次繊毛の形成に関わる分子機構が明らかとなった。DHAなどの不飽和脂肪酸は脳機能の記憶/学習能力の向上に関わることが先行研究から明らかとなっているが、その作用機序の全容は定かではない。今回の研究により不飽和脂肪酸が神経細胞の一次繊毛の形成を促進することで、一次繊毛を介したシグナル受容と細胞応答が促進され脳機能の向上に関与する可能性が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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