研究課題
若手研究(A)
生物にとって、形や大きさの「遺伝しやすさ」というのは、進化の速度に直接影響する要因の一つである。例えば、形態、体色、行動などの形質が遺伝しやすく、特定の形質ほど有利である場合には、その生物の形質は特定の方向へと速やかに進化する事が予想される。本研究では、このような「形質の遺伝しやすさ」を制御している遺伝的なメカニズムを理解することを目的として研究を行った。その結果、そのような機能を持つと思われる遺伝子がゲノム上に複数存在する事が確認できた。
本研究では、分子シャペロンの一つであるHSP90が様々な形質の「遺伝しやすさ」に影響することをゲノム網羅的なアプローチによって示した。ゲノムの塩基配列とその結果として生じる形質の関係は必ずしも厳密に決定されている訳では無い事、また、HSP90の制御対象がゲノム全域に及んでいる可能性が示唆された。本研究で得られた知見は、生物の進化可能性に関する基礎的な理解を進めるだけでなく、育種における複雑な人為淘汰の効率化にもつながる可能性がある。
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