研究課題
若手研究(A)
世界五大穀物の一つであるソルガムは、エネルギー作物としても大きなポテンシャルを高い潜在能力を有しています。このソルガムの茎搾汁液からのエタノール生産効率を左右する形質の一つに乾汁性がありますが、乾性品種と比較して、汁性品種の茎組織には多量の糖液が含まれるため、後者の方が優れた生産効率を示します。本研究では、まず、ソルガムの乾汁性を決定する遺伝子を世界に先駆けて単離することに成功しました。さらに、その乾汁性決定遺伝子がコードするタンパク質が、マスター転写因子として機能することで、茎柔組織に大規模なプログラム細胞死が誘導され、茎水分含量の低下が起こることを明らかにしました。
製糖・エネルギー作物における茎水分含量の増大は,糖やエタノール生産の原料に用いる茎搾汁液の生産量や生産効率の向上につながります.本研究の成果は,乾汁性決定遺伝子機能の調節を標的とした,糖やエタノール生産用作物の効率的な品種改良や,新たな資源作物開発への道を拓くものとして期待されます.また,茎柔組織の大規模なプログラム細胞死は,イネ科作物のみならず,広範の植物種で観察される現象であり,本研究の成果は,未だ不明な点の多い,その生理的意義や制御機構の理解に大きく貢献するものです。
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