研究課題
若手研究(A)
近年,農業現場において殺虫剤抵抗性の問題が深刻化しているため,新たな殺虫剤開発が必要不可欠である.昆虫の幼虫期を維持するために重要な幼若ホルモン(juvenile hormone,JH)は,昆虫固有のホルモンであることから,環境負荷の少ない新規昆虫成長制御剤(IGR)を開発する上で良い標的になると考えられている.しかしながら,JHアンタゴニストは数例しか報告されておらず,農業現場で実用化されていない.本研究では,JHアンタゴニスト活性を容易に評価できるアッセイ系を構築し,大規模スクリーニング及び高次評価により,アンタゴニスト活性を示す新たなリード化合物の発見に成功した.
本研究で発見したリード化合物の化学構造をもとに,より活性の高い誘導体を合成展開することができれば,世界初の実用的なJHアンタゴニストとして使用することができ,安定的な農業生産の持続に貢献することができる.また,本成果は,特定の分子をターゲットにして,新たな殺虫剤をテーラーメイドできることを実証した先駆的な研究であり,今後,昆虫特異的な分子をターゲットとした分子標的型創農薬研究が促進されるものと期待できる.
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