研究課題
若手研究(A)
褐色脂肪組織は脂肪酸や糖のエネルギーを消費することで、恒温動物の体温維持に寄与している。本研究では、AID/Apobecファミリーの1つであるApobec2が褐色脂肪におけるエネルギー代謝を制御する可能性について精査した。Apobec2を欠損すると褐色脂肪組織における脂質代謝が亢進することがわかった。Apobec2欠損による脂質代謝亢進が、高脂肪食摂取による脂肪への脂肪蓄積や代謝異常を抑制することがわかった。更に、細胞のエネルギー代謝解析の結果から、Apobec2はミトコンドリアの呼吸を制御している可能性が示唆された。
ヒトや一部の家畜などの恒温動物では、摂取エネルギーの大部分が体温維持に消費されている。近年、ヒトや家畜を含めた多くの哺乳類が、機能的褐色脂肪を有することがわかったが、その制御機構は未解明の部分が多い。本研究から、Apobec2が褐色脂肪組織や筋細胞におけるエネルギー代謝を制御する可能性が示唆された。褐色脂肪組織におけるエネルギー消費を制御できれば、畜肉の生産性の向上や肥満に起因する生活習慣病などの予防への応用が期待できる。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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