研究課題
若手研究(A)
わが国のウシにおけるD型インフルエンザウイルス感染の実態を調査する目的で、日本にはこれまで報告されたD型インフルエンザウイルスとは異なる遺伝学的系統のウイルスが存在していることを明らかにした。さらにこの新しいウイルスを分離し、抗原性を解析したところ既知の遺伝学的系統の分離株とは異なる抗原性を持つことがわかった。また、ウイルス性状の解析するために重要なツールであるリバースジェネティクス系を開発し、任意の変異を導入したD型インフルエンザウイルスの作製を可能にした。さらにこのリバースジェネティクス系を用いて、8分節化したウイルスを作製することに成功した。
分離した日本株の独自性についての知見は、ワクチン開発におけるウイルス株選択の重要性を示している。また確立したD型インフルエンザウイルスの最適化したリバースジェネティクス技術は、任意のゲノム改変技術として、例えば、変異ウイルスを用いたウイルス増殖過程の解析やウイルス抗原性の解析などに活用できる。さらに、本技術は、呼吸器感染症であるD型インフルエンザのワクチン開発において、感染防御能をもつ粘膜抗体を誘導できる理想的な弱毒生ワクチン株の作出を可能にすることで、世界中で被害を及ぼしているBRDCの制御に大きく貢献することが期待される。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 2件)
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