研究課題
若手研究(A)
本研究では細胞外小胞であるエクソソームを介した腫瘍細胞と免疫細胞の相互作用に着目し、腫瘍における化学療法耐性に関与する分子病態の解明に挑戦した。まず犬リンパ腫細胞由来のエクソソームが内包する分子プロファイルを網羅的に解析し、抗がん剤感受性株と耐性株の間で含有量が異なる核酸およびタンパクを明らかとし、特にCD82タンパクに関しては腫瘍を抑制する機能を持つ可能性を示した。また腫瘍細胞由来エクソソームは単球およびリンパ球の炎症性サイトカイン発現量を変化させ、特に細胞傷害性T細胞に対しては細胞死を誘導することも明らかにした。本成果は腫瘍性疾患の分子病態に関する全く新たな知見を提供するものと考えている。
悪性腫瘍に対する化学療法において抗がん剤に対する耐性獲得は治療に限界をもたらす主たる要因となっているが、未だその分子機構の解明やその克服には至っていない。これまでの当該分野の研究では主に腫瘍細胞自身に起こる変化に着目してきたが、本研究では腫瘍細胞と周囲の微小環境、特に免疫細胞との相互作用という全く新たな着眼点からその分子病態を解析したものである。本研究から得られた成果は腫瘍性疾患の分子病態に関する新たな知見を提供するものであり、獣医学領域のみならず人医学領域における研究にも貢献するものと考えている。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 3件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 6件) 備考 (1件)
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