研究課題/領域番号 |
17H05047
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
昆虫科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木内 隆史 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60622892)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
24,960千円 (直接経費: 19,200千円、間接経費: 5,760千円)
2019年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2018年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2017年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | カイコ / 休眠 / ゲノム編集 / トランスクリプトーム / ChIP-seq |
研究成果の概要 |
カイコの卵が休眠するか否かは母親が育った環境により決定されるが,その詳細な分子機構は不明である.私たちはこの分子機構の解明の鍵となるいくつかの遺伝子を同定しており,本研究ではこれら遺伝子をもとにその全容を明らかにしようとした.鍵となるある遺伝子と同じシステムに関わるいくつかの遺伝子をゲノム編集技術により網羅的に機能破壊した.すると,これら遺伝子を失ったカイコでは,休眠するはずの卵が休眠しなかった.この結果は,このシステムが休眠を誘導するために必要なことを示す.また本研究では,卵が休眠に入るときに機能するいくつかの鍵遺伝子を機能破壊し,その際に発現が変化する遺伝子群を俯瞰することに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
休眠は昆虫の優れた環境適応能力の一つである.昆虫は外部環境を読み取ることで適切なタイミングに休眠を誘導し,不適な環境を凌ぐ.カイコは休眠ホルモンの発見をはじめ,休眠のメカニズムが最もよく研究されてきた昆虫の一つである.しかし,胚子期あるいは幼虫期に受容した温度や日長条件に応じて次世代の卵の休眠性が決定されることはわかっているが,その分子メカニズムは不明である.本研究では,休眠制御に関わるシステムおよび卵において休眠を誘導する遺伝子に制御される遺伝子群を明らかにすることに成功した.これらの知見はカイコの休眠を自在に操る技術や休眠撹乱を利用した害虫防除システムの開発につながると期待される.
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