がんにおける薬剤耐性の阻害を目指したZIC5標的薬の同定と検証

• 研究課題/領域番号: 17H05056
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 創薬化学
• 研究機関: 東京薬科大学
• 研究代表者: 佐藤 礼子 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (90469966)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2021-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2020年度)
• 配分額: 24,050千円 (直接経費: 18,500千円、間接経費: 5,550千円); 2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円); 2019年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円); 2018年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円); 2017年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
• キーワード: がん / 薬剤耐性 / メラノーマ / ZIC5 / 創薬スクリーニング / スクリーニング

研究成果の概要

がん細胞が治療薬に抵抗性を持つ現象である「薬剤耐性」はがん根治を妨げる大きな問題であり、薬剤耐性を克服する治療法の開発が必要である。研究代表者はこれまでに、がん特異的に高発現し、様々な癌の生存や薬剤耐性を亢進させる因子を同定している。本研究課題において、低分子化合物のスクリーニングを行い、この因子の機能を阻害する低分子化合物を複数見出した。また、この因子と結合し制御するタンパク質を複数同定した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究課題において、がん特異的に高発現し様々な癌の生存や薬剤耐性を亢進させるタンパク質を阻害する低分子化合物を見出した。この低分子化合物は、メラノーマや薬剤耐性メラノーマに細胞死を誘導したが、正常ヒトメラノサイトや正常ヒトケラチノサイトには細胞死を誘導しなかった。これらのことから、同定した低分子化合物がメラノーマや薬剤耐性メラノーマに有効であると考えられる。また、このタンパク質の制御機構を明らかにすることでさらなる治療薬の開発につながる。

研究成果

• [雑誌論文] Phosphatidylinositol 4,5-bisphosphate is localized in the plasma membrane outer leaflet and regulates cell adhesion and motility (2020)
  • 著者名/発表者名: Yoneda A., Kanemaru K., Matsubara A., Takai E., Shimozawa M., Satow R., Yamaguchi H., Nakamura Y., Fukami K.
  • 雑誌名: Biochem. Biophys. Res. Commun. 巻: in press 号: 4 ページ: 1050-1056
  • DOI: 10.1016/j.bbrc.2020.05.040
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Cell surface CD63 increased by up-regulated polylactosamine modification sensitizes human melanoma cells to the BRAF inhibitor PLX4032 (2019)
  • 著者名/発表者名: Kudo Kohya、Yoneda Atsuko、Sakiyama Daiki、Kojima Kai、Miyaji Takeki、Yamazaki Miku、Yaita Saori、Hyodo Takuya、Satow Reiko、Fukami Kiyoko
  • 雑誌名: The FASEB Journal 巻: 33 号: 3 ページ: 3851-3869
  • DOI: 10.1096/fj.201800664rr
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Identification of zinc finger protein of the cerebellum 5 as a survival factor of prostate and colorectal cancer cells. (2017)
  • 著者名/発表者名: 1.Satow R, Inagaki S, Kato C, Shimozawa M, Fukami K.
  • 雑誌名: Cancer Science 巻: 108 ページ: 2405-2412
  • 査読あり
• [学会発表] The mechanisms of Phospholipase C 1 in Colorectal Cancer Progression. (2020)
  • 著者名/発表者名: Reiko Satow, Kiyoko Fukami.
  • 学会等名: 第79回日本癌学会学術総会
• [学会発表] 悪性黒色腫の薬剤耐性阻害を目指したZIC5阻害薬の探索 (2020)
  • 著者名/発表者名: 浅野亜由美、佐藤礼子、深見希代子
  • 学会等名: 第93回日本生化学会大会
• [学会発表] Screening and Identification of Drug Candidate Compounds Targeting Drug Resistance of Melanoma (2019)
  • 著者名/発表者名: 渡邉尊、佐藤礼子、深見希代子
  • 学会等名: 日本癌学会
• [学会発表] 大腸癌進展におけるPhospholipase Cδ1 のProtein Kinase Cを介した作用機序の解明 (2019)
  • 著者名/発表者名: 太田紗瑛、鈴木悠大、久保田汐里、麻田偲, 佐藤礼子, 深見希代子
  • 学会等名: 日本生化学会
• [学会発表] 日本生化学会奨励賞受賞講演 (2018)
  • 著者名/発表者名: 佐藤礼子
  • 学会等名: 第91回日本生化学会学術総会
  • 招待講演
• [学会発表] 日本癌学会奨励賞受賞講演 (2018)
  • 著者名/発表者名: 佐藤礼子、深見希代子
  • 学会等名: 日本癌学会奨励賞受賞講演
  • 招待講演
• [学会発表] ZIC5はPDGFDを介してFAKやSTAT3を活性化し、前立腺癌及び大腸癌の薬剤耐性を促進する (2018)
  • 著者名/発表者名: 稲垣翔太、加藤千明、下澤誠、佐藤礼子、深見希代子
  • 学会等名: 第91回日本生化学会学術総会
• [学会発表] 大腸癌進展におけるPhospholipase C d1 の作用機序の解明 (2018)
  • 著者名/発表者名: 久保田汐里、麻田偲, 佐藤礼子, 深見希代子
  • 学会等名: 第91回日本生化学会学術総会
• [学会発表] Molecular Mechanisms of Phospholipase C Delta 1 in Colorectal Cancer Cells (2018)
  • 著者名/発表者名: 久保田汐里、麻田偲, 佐藤礼子, 深見希代子
  • 学会等名: 第70回日本細胞生物学会
• [学会発表] 神経冠形成遺伝子群に対するスクリーニングによる薬剤耐性促進因子の同定と機能解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐藤礼子、遠藤未来、加藤千明、稲垣翔太、深見希代子
  • 学会等名: 第90回日本生化学会 (ConBio2017)
• [学会発表] ZIC5はFAKやSTAT3の活性化を介してがん細胞の薬剤耐性を亢進させる (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐藤礼子、深見希代子
  • 学会等名: 第７６回日本癌学会学術総会
• [学会発表] ZIC5はPDGFDを介してFAKとSTAT3を活性化し、がんの薬剤耐性を促進する (2017)
  • 著者名/発表者名: 稲垣翔太、加藤千明、遠藤未来、佐藤礼子、深見希代子
  • 学会等名: 第69回日本細胞生物学会
• [備考] 東京薬科大学生命科学部ゲノム病態医科学研究室HP
  • URL: http://toyaku-ls-genome.com/