研究課題
若手研究(A)
慢性疼痛は感覚と情動が相互に作用し合っているが、感覚―情動の神経分子機構は不明である。慢性疼痛と不安に関わる前帯状回に着目して、シナプス前長期増強を形成する投射選択性を調べた。前帯状回は視床から単シナプス性および多シナプス性の入力を受けて長期増強に関わることを明らかにした。さらに、慢性疼痛モデルの前帯状回では抑制性シナプス伝達が減弱すること、前帯状回ムスカリンM1受容体を活性化すると抑制性シナプス伝達を活性化して機械性過敏行動を改善することを明らかにした。
前帯状回皮質は、慢性疼痛と不安の形成に関わる大脳皮質の一つである。前帯状回における興奮性シナプスおよび抑制性シナプスが慢性疼痛によっていかに可塑的変化を形成するかや皮質内の局所神経回路が明らかになると、前帯状回における慢性疼痛や不安の仕組みが解明される。本研究結果は、上位中枢に作用する慢性疼痛に対する創薬開発に役立つ可能性がある。さらに、このような感覚がいかに情動や感情を形成し、相互に作用し合うかの神経分子機構が明らかとなると、様々な感覚ー情動系の解明に発展する広範囲な神経科学分野に貢献できる。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 4件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 13件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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