研究課題/領域番号 |
17H05079
|
研究種目 |
若手研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
佐野 利恵 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70455955)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2017年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
|
キーワード | ABO式血液型 / ABO遺伝子 / 遺伝学 / 転写調節 / ABO遺伝子 |
研究成果の概要 |
ABO遺伝子の転写調節機構の完全解明を図るため、クロマチン構造変化によるABO遺伝子転写調節の研究を行った。ABO遺伝子のCRISPR/Casシステムを用い、血球細胞、上皮細胞においてインシュレーターやエンハンサーを欠失させた細胞株を作製し、RNAシークエンス法およびリアルタイムPCRで遺伝子発現を調べた。胃癌細胞KATOIII細胞を用いた上皮細胞エンハンサー欠失細胞においてABO遺伝子の転写が低下し、ABO遺伝子下流に存在するOBP2B遺伝子の発現が約1/10に低下した。以上から、ABO遺伝子はエンハンサーの共有、染色体の高次構造を介し遺伝子の発現調節を受けることがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ABO式血液型は輸血医療および個人識別の重要な指標であることは周知の事実であるが、「ABO遺伝子は何のためにあるのか?」という問いは未だ解明されていない。本研究成果から、ABO遺伝子の下流に存在するOBP2B遺伝子はエンハンサーを共有しており、ABO遺伝子は、他の遺伝子発現を活性化するために存在する『利他的な遺伝子』と考えられる。また、ABO遺伝子とその類縁遺伝子はヒトにかぎらず、脊椎動物などに幅広く存在することから、生命に重要な何らかの機能にABO遺伝子座が関与していると考えられる。
|