研究課題
挑戦的研究(開拓)
細胞外小胞は、脂質二重膜で囲まれた袋状の構造体である。脂質二重膜は、細胞外小胞を放出する親細胞の膜成分に由来するので、各種のチャンネル分子をもち、ダイレクトな脂質二重膜の物質透過も考慮に入れると、外部環境擾乱に応じて、水分子や生体高分子の細胞外小胞内への流入、小胞外への放出をおこなうと考えられる。実際、唾液から採取された細胞外小胞は、感度のよい超遠心密度勾配法で展開すると、密度の異なるいくつかのサブクラスに分けることができる。ここでは、個体間の外部環境の差を反映した細胞外小胞の密度の変動から、細胞外小胞を差分化する新たな手法を開発し、細胞外小胞の新たなサブクラス化を達成した。
唾液が含む1,429種のタンパク質のサブクラス化の情報を利用した、各種疾患に対する唾液診断法の開発が、今後進められると期待できる。同定したタンパク質の中には、SLC44A4、PMSA、CEACAM8/CD66b、Serum amyloid A-1 protein (SAA1)といった、広く知られている診断マーカーが含まれており、これらのマーカータンパク質は、細胞外小胞の積荷として体液中の存在している可能性が極めて高く、細胞外小胞にウィンドウを絞ったサンドイッチELISAの開発などにおいても、本研究の結果が利用されていくものと期待できる。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
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