研究課題/領域番号 |
17H06298
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
片岡 淳 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90334507)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
24,310千円 (直接経費: 18,700千円、間接経費: 5,610千円)
2019年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2018年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2017年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | 中性子イメージング / 粒子線治療 / 2次被ばく / TOF弁別 / PSD弁別 / Time-of-Flight / Time of Flight |
研究成果の概要 |
がんの陽子線治療では、「2次被ばく」の問題が深刻化しつつある。陽子線は細く絞る段階で金属コリメータと反応し、また体内でも大量の高速中性子が発生する。これら付帯線量は、現状の治療システムでは正確に評価できず、また治療計画にも反映できていない。本研究では高速中性子の革新的イメージング法を開発し、実際の治療現場を模擬した陽子線ビームでイメージングに成功した。具体的には波形弁別型プラスチックシンチレータ2層からなるアレイ型検出器を試作し、散乱の運動学から中性子の到来方向を推定する。取得した画像からG(E)関数法を用いた線量当量推定に挑戦し、1次陽子線による付帯線量の約1/100という結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
陽子線治療は先進医療の代表であり、抗がん剤や手術よりQOL(Quality of Life)が高く社会復帰の早い治療法として近年ますます需要が高まっている。一方で、放射線治療はその性質上、正確な線量評価が不可欠である。本研究で開発した中性子可視化技術は「2次被ばく」の評価を初めて可能にし、今後の高精度治療へ向けた大きな足掛かりとなる。さらに、次世代治療として注目を集めるホウ素中性子捕獲療法(BNCT)、原発内部のエリアモニタやテロ対策に至るまで、多くの分野で迅速に中性子場を可視化するカメラの開発が切望されており、本研究の技術が確実に生かされると期待される。
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