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腫瘍性タンパク質Skp2の量的制御を司る幹細胞腫瘍化抑制機構の包括的解析

研究課題

研究課題/領域番号 17H06531
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分補助金
研究分野 歯科医用工学・再生歯学
研究機関東北大学

研究代表者

清水 康平  東北大学, 歯学研究科, 助教 (70727073)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
研究課題ステータス 交付 (2018年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード再生医療 / 腫瘍化 / 幹細胞 / タンパク質分解 / Skp2
研究実績の概要

様々ながん組織において過剰発現を認め、幹細胞腫瘍化への寄与が示唆される腫瘍性タンパク質Skp2に関して、そのユビキチン-プロテアソーム系による量的制御を担うと考えられる上流のRING型E3ユビキチンリガーゼ(RING#BI)を同定し、RING#BI によるSkp2分解の腫瘍化抑制における役割について解析してきた。まず、RING#BIによるSkp2のユビキチン化に関する分子制御機構を明らかにするため、Skp2に対するRING#BIの結合領域の同定を試みた。欠失変異体を用いた解析より、RING#BIはSkp2のN末端領域で結合し、Skp2のユビキチン化・分解に必須の領域であることが明らかとなった。また、Skp2の既知上流E3として知られるCdh1はSkp2のD-boxを介してユビキチン化することが報告されているが、本課題においてRING#BIによるSkp2のユビキチン化にD-boxは不要であることが明らかとなった。この知見をもとに、RING#BIに特異的なSkp2の時間・空間的制御について検討を進めている。さらに、Skp2がRING#BIの生理的な基質であることを証明するにあたり、CRISPR-Cas9システムを用いてRING#BIのノックアウト細胞株を樹立し、Skp2及びSkp2の基質の発現量を検証した。その結果、RING#BIノックアウト細胞においてSkp2の発現量は上昇し、それに伴いSkp2基質の発現量が低下することを確認した。また、RING#BIノックアウト細胞は、DNAダメージによるアポトーシス誘導に抵抗性を示し、さらに、細胞増殖の促進が認められることから、細胞レベルにおいてRING#BIの腫瘍化抑制因子としての機能を見出すことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Skp2の基質特性を考慮した多角的な解析から、アポトーシス抵抗性及び細胞増殖に関して、RING#BIの腫瘍化抑制因子としての機能を細胞レベルで示すことができ、in vivo解析に展開するための準備が整いつつある。また、RING#BIによるSkp2の量的制御に関して、既知上流E3との制御機構に差異を見出すことができた。以上より、初年度の重点課題は概ね達成できたと思われる。

今後の研究の推進方策

DNA損傷に伴うSkp2のユビキチン化依存的分解が報告されていることから、RING#BIがDNA損傷時のSkp2の分解に関与するか検証した結果、本研究における実験条件ではDNA損傷に伴うSkp2の分解は認められず、既報に反して継時的な発現量の上昇が確認された。しかしながら、DNA損傷に伴うSkp2の発現量上昇は、RING#BIにより制御されている可能性を示す結果が得られたことから、DNA損傷応答におけるRING#BIのがん抑制因子としての機能解析を進める。得られた知見をもとに、RING#BI-Skp2経路が関与する幹細胞腫瘍化の分子メカニズムの解明を目指す。さらに、RING#BIによるSkp2の分解を介した腫瘍化抑制機能をin vivoレベルで実証し、幹細胞腫瘍化制御に向けた検討を行う。

報告書

(1件)
  • 2017 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] Beth Israel Deaconess Medical Center(米国)

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [雑誌論文] Physiological functions of FBW7 in cancer and metabolism2018

    • 著者名/発表者名
      Shimizu Kouhei、Nihira Naoe Taira、Inuzuka Hiroyuki、Wei Wenyi
    • 雑誌名

      Cellular Signalling

      巻: 46 ページ: 15-22

    • DOI

      10.1016/j.cellsig.2018.02.009

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] NOTCH2 Hajdu-Cheney Mutations Escape SCFFBW7-Dependent Proteolysis to Promote Osteoporosis.2017

    • 著者名/発表者名
      Fukushima H, Shimizu K, Watahiki A, Hoshikawa S, Kosho T, Oba D, Sakano S, Arakaki M
    • 雑誌名

      Mol Cell

      巻: Nov 16;68(4) 号: 4 ページ: 645-658

    • DOI

      10.1016/j.molcel.2017.10.018

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Hajdu-Cheney症候群におけるNotch2変異を介した骨粗鬆症病態の分子機構解明2018

    • 著者名/発表者名
      清水 康平、福島 秀文
    • 学会等名
      第3回口腔医科学フロンティア研究会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [学会発表] The role of acetylation in the regulation of MCL1 stability2017

    • 著者名/発表者名
      清水 康平
    • 学会等名
      第15回松山国際学術シポジウム
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 抗アポトーシスタンパク質MCL1の安定性制御におけるアセチル化の役割2017

    • 著者名/発表者名
      清水 康平、犬塚 博之、福島 秀文、福本 敏
    • 学会等名
      第59回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書

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公開日: 2017-08-25   更新日: 2019-12-27  

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