研究課題
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NOD-like receptor family pyrin domain containing 6 (NLRP6)は主に消化管上皮等に発現し、腸内細菌叢や恒常性維持に重要な役割を果たしている。我々はNLRP6がT細胞に発現し、活性化すると発現が増強することを発見した。また、メカニズム解析では活性化T細胞における負の制御機構となる可能性を明らかにした。マウス骨髄移植モデルでは、NLRP6 KOマウス由来T細胞を輸注した場合、野生型群に比較して有意に生存率の低下と移植片対宿主病の悪化を認めた。以上の結果はT細胞におけるNLRP6の機能はGVHD制御機構において重要な役割を持つことを示唆している。
本研究成果は、炎症反応においてNLRP6がインフラマゾーム依存性メカニズムを持つだけでなく、非依存性メカニズムを持っていることを明らかにしたことにより、NLRP6が種々の免疫反応において多種多彩な機能を持つことを明確に示すことができた。NLRP6の免疫細胞における機能解析を発展させる事で、敗血症などの炎症性疾患のみならず移植片対宿主病や自己免疫疾患、さらには悪性腫瘍内の微小環境下における免疫抑制機構の解明にも貢献すると考えられる。NLRP6の制御機構を明らかにする事で、将来的な免疫チェックポイントや免疫抑制剤の開発につながる可能性がある。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 9件、 査読あり 9件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件)
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