研究課題/領域番号 |
17H06538
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
中村 彰宏 茨城大学, 農学部, 准教授 (00803735)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多糖類 / 食品 / 原子間力顕微鏡 / 分子構造 / 物性機能 / 機能改変 / ナノテクノロジー / 構造解析 / 酸性乳飲料 / 分散安定化 / 走査プローブ顕微鏡 / 食品プロセス / マメ科植物 |
研究成果の概要 |
本研究では、マメ類多糖の構造と機能に関する網羅解析を目指し、レンズマメとインゲンマメに注目し、レンズマメ多糖(LPS)とインゲンマメ多糖(KPS)の基本物性の解析、原子間力顕微鏡(AFM)による構造解析、酸性乳飲料の安定化機能について解析した。LPSは分子量83万(pH4抽出)と110万(pH8抽出)、KPSは分子量250万の高分子多糖であった。水易溶性の低粘度多糖であり、ニュートン流体の挙動を示した。AFMで解析した構造はLPSが多分岐型、KPSが分岐のある直鎖型であった。いずれもガラクツロン酸を含む酸性多糖類であり、酸性下で乳タンパク質粒子の凝集を抑える分散安定剤としての機能を有していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、ダイズ、レンズマメ、インゲンマメのマメ類種子の細胞壁を構成する水溶性多糖類は、分子量50万~250万の分岐構造を持つ多糖類であり、増粘やゲル化の物性機能は示さないがタンパク質など電荷を持つ粒子を増粘を伴わず微細分散する機能を有する事が明らかになった。食品の加工と保存において物性機能素材は不可欠である。一方、マメ類種子はそのまま食材として利用されるだけでなく、デンプン、油脂、タンパク質などの構成成分が分離されて活用される。ところが約40%を占める繊維は飼料として活用されるに留まっている。本研究成果は、繊維から新規な食品の物性機能素材を創出するものであり、学術的、社会的意義は深い。
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