研究課題/領域番号 |
17H06542
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
島村 絵里子 筑波大学, 人文社会系, 研究員 (70802198)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | イエズス会 / 人文主義思想 / 倫理思想 / キリスト教 / 歴史哲学 / 人文主義教育 / 認識論 / 神学 / 文化 |
研究成果の概要 |
本研究では、近代から現代に至るまでのイエズス会の人文思想の特徴を捉える為に、20世紀の北米のイエズス会を代表する思想家であるB.ロナガンの思想に注目した。特に「歴史」と「世界観」という二つの観点を軸に据え、ロナガンの文献を検証した。その結果、ロナガンが、従来のカトリシズムの伝統を保持しつつ、現代の自然科学および歴史哲学の観点を統合する形で、創造的な人間理解を提示していることを明確にした。そこからに、20世紀のイエズス会人文主義思想を、この世界から乖離した静的精神性ではなく、その時々の思想的潮流と積極的に対話し応えることを目指す知的ダイナミズムとして特徴づけることができるという結論に至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、日本におけるイエズス会思想史研究はどちらかといえば16世紀(切支丹時代・ルネサンス時代)に重点が置かれ、20世紀のイエズス会思想は研究対象として十分に主題化されてこなかった。本研究では20世紀の代表的なイエズス会の哲学者・神学者の一人である、バーナード・ロナガンが提示している人間の「本性」と「歴史性」を基軸にした倫理思想を探ることにより、20世紀のイエズス会思想を特徴づける知的ダイナミズムを提示できたと思われる。またロナガンによる現代思想における伝統の再解釈の姿勢に着目することを通して、20世紀のトミズムの特徴の一端を明示できたと考える。
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