研究課題/領域番号 |
17H06583
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
米野 みちよ 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (20798144)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サリドゥマイ / フィリピン音楽 / 掛け歌 / 五音音階 / 民謡 / アメリカ植民地支配 / フィリピン・コルディレラ地方 / 先住民と近代化 / アメリカ植民地 / 先住民 / 近代化 / フィリピン / アジアの近代化 / ポストコロニアル / カリンガ / ポストコロニアル批判 / エージェンシー / 植民地近代性 |
研究成果の概要 |
フィリピン大学民族音楽学センターにて、1960ー80年代にフィリピン北部山岳地帯で録音されたサリドゥマイ(民謡)の録音資料約60例を分析した。それを、今日消失したと考えられる旋律と、今日も伝えられている旋律、に分けて、考察した。 前者は、歌掛けの様式もあり、各旋律は4度跳躍が目立ち、概ね五音を用いているものの 、その音列も終始音も様々である。一方、後者は、c-d-e-g-a音を使用、終始音はcでハ長調五音音階。四拍子など定量化、ディアトニック的な音列、など音高、拍節、音列の標準化が見られる。これはサリドゥマイの近代化と認識され、先住民の歌が、近代性の合理性に呑まれていった、と理解できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1. 民族音楽学において、デジタルアーカイブを本格的に用い、参与観察で得られた知見と比較したこと。 2. 民謡の変化を、ポリティクスと絡めて、二項対立的な枠組み(西洋化、植民地支配の影響など)からとらえるのではなく、近代性の合理性、という、人類史・文明史の枠組みからとらえる試みをしたこと。 3. 五音が用いられている旋律を、安易に、「五音音階」の曲、とするのではなく、それぞれの音の使われ方を丁寧に分析し、例えば、三音の使われ方に注目して、テトラコルダの組み合わせによる旋律を、五音音階の旋律とは、性質が異なるものであることを提言したこと。
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