研究課題/領域番号 |
17H06607
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 佳奈 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (50802120)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 時間分解 / 高次高調波 / 高励起状態 / 超高速化学 |
研究成果の概要 |
分子に光照射した際に数フェムト秒から数百フェムト秒の時間スケールで起こる光化学反応過程を実時間計測するために、単一アト秒高次高調波と数サイクル赤外光を用いたポンプ-プローブ計測装置を開発した。本装置に、遅延時間の変動をモニターする機構を導入し、1フェムト秒以下の高時間分解能でのポンプ-プローブ計測を可能とした。 さらに、光化学反応過程を観測する装置として、平面結像型極端紫外分光装置を導入すると共に、光電子-光イオン同時計測装置の設計・開発を行った。開発した装置とポンプ-プローブ計測装置を用い、高励起状態の窒素分子イオンの解離過程が、反応初期状態に依存して大きく変化する様子が実時間観測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において開発したポンプ-プローブ計測装置によって、高時間分解能での光化学反応の追跡が可能となった。さらに、開発した装置を用いて光化学反応経路が反応初期状態によって大きく左右されることが実験的に示された。今回観測した高励起状態の窒素分子イオンの解離過程は、大気上層部の電離層において頻繁に起こる過程であり、電離層における反応を理解する重要な知見が得られた。今後、開発した装置を用いて反応初期過程も含めて実時間追跡すれば、光化学反応をより深く理解できる。光化学反応は、自然界において広く起こる現象であり、本装置を用いた研究は、分子科学に限らない幅広い分野に影響を与えると期待される。
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