研究課題
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着床直前の胚のDNAメチル化の変化は不明であるため、マウスの胚の活性化前後を解析したところ、発現変化した遺伝子の多くはメチル化に差があり、メチル化による発現変化が示唆された。マウスの子宮の解析では、胚接着部位は非接着部位に比べ10倍以上の発現変化した遺伝子数が3倍程度であったことから、胚接着が大きな遺伝子発現変化を誘導したことが示された。着床前に、不妊治療や避妊に用いられるプロゲスチンを高容量投与したところ、着床障害が見られ、着床に必須であるLIFが低下し、LIFを投与で、着床障害率は改善した。このことから、プロゲスチンが着床直前の子宮のLIFを低下させ着床を阻害する可能性が示された。
着床機構の解明は生命科学の研究対象として興味深いだけではなく、臨床生殖医学の見地からも重要である。今回の成果は、未だ詳細がわかっていない着床機構の解明につながる可能性がある。また、少子化が叫ばれている近年の社会情勢は不妊症治療が必要となっており、今回の成果が、不妊治療の更なる発展や、新規の避妊法の開発、生殖医療における卵巣ホルモンの適正使用の向上につながる可能性があると考えられる。
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