研究課題/領域番号 |
17H06705
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
小野木 康弘 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 研究員 (80801761)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脂肪組織肥大化機構 / 血管新生 / 脂肪幹細胞 / マクロファージ / ペリサイト / PDGF / 肥満進展機構 / 血管リモデリング / 肥満 / 脂肪組織 / 血小板由来増殖因子 / 糖代謝 / 細胞・組織 / 糖尿病 |
研究成果の概要 |
肥満病態に関与する炎症性マクロファージの集積および新たな血管構造と脂肪細胞の生成の三事象が協調して病態進展に寄与する可能性を追究した。炎症性マクロファージは解糖系代謝依存的なERKシグナル伝達経路を介してPDGF-Bを産生することが明らかになった。肥大化脂肪組織においてマクロファージを除去することで、肥満による血管からのペリサイトの脱離、それに伴う血管新生と脂肪組織の肥大化が防御された。また同時に、脂肪新生の起源となる脂肪幹細胞の割合が減少した。 以上より、肥満により脂肪組織に集積する炎症性マクロファージは血管新生と脂肪新生を助長することで脂肪組織肥大化に寄与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肥満関連疾患の克服は、本邦のみならず全世界で解決すべき課題である。肥満病態の進展機構の理解は、肥満に起因する疾患の治療戦略構築の基礎となりえる。肥大化した脂肪組織に集積する炎症性マクロファージによる慢性炎症は、肥満関連疾患の引き金となることが明らかになってきている。それに加えて、本知見は炎症性マクロファージが血管を再構築することで、新たな脂肪細胞を生成する環境を生み出すことを見出した。また、炎症性マクロファージは高血糖下においてより活性化する知見を踏まえると、本研究は、肥満・高血糖病態での血糖降下療法の重要性を示すことに加え、マクロファージの活性制御を標的とした新規治療戦略の可能性を提示する。
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