研究課題/領域番号 |
17H06767
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
大澤 紀之 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80805820)
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研究協力者 |
富田 一聖
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糖尿病性腎症 / ケトン体 / mTORC1 / 動脈硬化 / 糖尿病性腎臓病 |
研究成果の概要 |
「糖尿病における動脈硬化に起因する腎病変に対しSGLT2阻害薬を介した血中ケトン体上昇が腎保護効果を発揮する」との仮説を検証した。SGLT2阻害薬およびケトン体前駆物質1,3-ブタンジオールは動脈硬化モデルマウスの腎病変を改善した。ケトン体合成律速酵素であるHmgcs2とApoEのダブルノックアウトマウスでは、SGLT2阻害薬による腎保護効果は消失した。ケトン体による腎保護効果にmTORC1シグナルの抑制が関与した。本研究により、ケトン体による腎エネルギー供給およびmTORC1抑制が、糖尿病に伴う動脈硬化に起因した腎機能低下に対する治療戦略となる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、腎症における現在未解決の課題に対して、基礎研究からのアプローチにより、現行の治療では難治性の腎症に対する新規治療標的の探索を目指したものである。現在、腎症からの透析導入数は横ばいになろうとしているが、今後、糖尿病患者の爆発的増加が起こることも予想されている。現在の治療に甘んじることは、現時点で治療指針を示せていない難治性腎症からの透析導入数の増加を招く可能性を残すことになる。よって本研究により、腎症におけるmTORC1過剰亢進の意義、そして、その抑制機構としてのケトン体の可能性が示されたことは、今後の腎症予後改善に大きな貢献をもたらすことが期待される。
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