研究課題/領域番号 |
17H06827
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長谷川 裕峰 大阪大学, 文学研究科, 招へい研究員 (60802361)
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研究協力者 |
寺井 良宣
藤平 寛田
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 天台論義 / 宝地房証真 / 探題 / 阿弥陀房宗厳 / 論義 / 義科書 / 阿弥陀房 / 証真 / 翻刻作業 / 比較検討 / 宝地房 / 中世仏教史 / 天台論義書 / 宝地房証真学派 / 叡山文庫 |
研究成果の概要 |
本研究課題の調査対象とした未翻刻史料群『阿弥陀房抄』は各研究機関に散在しており、その存在は知られていたが、本格的な研究は僅少であった。そこでまず、叡山文庫円覚蔵19冊、叡山文庫真如蔵13冊、叡山文庫天海蔵『義科抄』の内4冊、西教寺文庫正教蔵27冊、早稲田大学図書館教林文庫所蔵19冊を史料収集し、考察対象とした。また、その撰述者である阿弥陀房宗厳の来歴等に関して、同時代史料から検討を進めた結果、本史料群は当時の天台学における最高水準であった探題職が残した論文集としての性格を読み取ることに成功した(「『阿弥陀房抄』覚書」、『坂本廣博博士喜寿記念論文集 佛教の心と文化』、2019年)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で扱った『阿弥陀房抄』は、天台教学の最高権威者である探題の選定した試験問題に対して、受験者との間で行われた質疑応答を原稿化したものである。そのため、受験者の解答に応じて異なる質疑が展開し、数多くの論文集が作成された。これらが各学問寺院に分散し、法華大会の竪義(試験)合格を目指して書写・伝承されてきたが、比叡山焼討ち後の南光坊天海による復興運動に際して、再び収集された。これにより、極端な口伝主義に警鐘を鳴らした宝地房証真の後継である本史料群から、中世段階における延暦寺の思想的特徴を読み取ることができ、従来のような本覚思想に偏った考察とは一線を画す研究手法が可能となったのである。
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