研究課題
研究活動スタート支援
口腔がんホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に対して、新規ボロカプテイト(BSH)製剤を用いることにより、口腔機能温存、形態維持に優れた非侵襲で局所制御可能ながん治療の確立を目指し、本研究では基礎検討を行った。具体的には、口腔がんに対して新規BSH製剤のin vitroにおける(1)ホウ素集積性 (2)放射線感受性 さらにin vivoで(3)担癌モデルにおける安全性と有効性 の評価を行い、現在BNCTで用いられているホウ素薬剤であるボロカプテイト(BSH)もしくはボロノフェニルアラニン(BPA)に対して比較検討を行った。将来的には新規BSH薬剤を用いた口腔がんBNCTの臨床応用を期待する。
現在、頭頸部がんBNCTに対してBPAが用いられているが、細胞核蓄積性がなく短時間で大量投与が必要となる。新規BSH製剤は、ホウ素-10が12個からなる結晶BSHを有しかつドラッグデリバリーシステムとして最適なサイズの球体状であるため、ホウ素腫瘍集積性が高く少量投与可能となり、BNCT臨床における意義が高い。本研究は、機能温存が切望される口腔がんに対して新規BSH製剤を用いたBNCTの基礎研究を行うことで、将来的に局所制御可能でかつQuality of Life(QOL)の高い非侵襲的口腔がん治療の確立を目指しており、社会的意義が高いといえる。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Strahlentherapie und Onkologie
巻: 194 号: S1 ページ: 1-222
10.1007/s00066-018-1301-7