研究課題/領域番号 |
17H06964
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
鈴木 啓孝 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (20803711)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 思想史 / 日本史 / 文化史 / ナショナリズム / マスメディア / ルポルタージュ / 貧困問題 / 国民感情 / メディア |
研究成果の概要 |
新聞『日本』の精査を通じて、社長兼主筆の陸羯南を中心とした‘思想集団’としての日本新聞社に関する理解を深めたことが本研究の成果である。具体的には、明治23(1890)年当時表面化しつつあった都市貧民問題にいち早く着眼した『日本』が桜田文吾による貧民窟潜入ルポルタージュの連載を始め、その成功を受けて社説欄・論説欄・文苑欄などを活用した関連記事の掲載が続き、そうした人気記事をアピールしながら新聞広告を募っていた流れを捉えた。都市貧民問題という社会問題に関わる報道を、購読料収入と広告料収入、各々の増収につなげられたため、創業2年目の新聞社が経営の安定化に成功したという経緯が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
明治20年代(あるいは1890年代)の日本社会に関する理解を深めるにあたり、政治思想史分野(陸羯南及び福本日南という個人思想の研究)、社会史分野(近代都市における貧困問題の研究)、国文学分野(潜入ルポルタージュの研究)という3つの研究分野の違いによって大きく分裂していた学問的知見を、メディア史研究の観点から1つに統合して提示したところに本研究の学術的意義があったものと考えている。また、新たな着眼によって得られた学問的知見を、国内研究会のみならず国際学会の場において発信したところに本研究の社会的意義があったものと考える。
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