研究課題/領域番号 |
17H06986
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
稲垣 春樹 首都大学東京, 人文科学研究科, 助教 (00796485)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | イギリス帝国 / 西インド諸島 / ジャマイカ / 法 / 博愛主義 / 奴隷 / 人身保護令状 / 戒厳令 / 西洋史 / 人道主義 / 奴隷制 |
研究成果の概要 |
イギリス帝国における法と博愛主義の関係を考察するために、19世紀前半のイギリス領ジャマイカ植民地を事例として、奴隷に対する苛烈な支配を継続する白人入植者および植民地総督と、奴隷の待遇改善を求める博愛主義者の対立について検討した。イギリス議会・植民地省の公文書を調査し、以下のようなことをあきらかにした。入植者および総督は、反乱などの緊急事態に対処するために、奴隷に対する強権的な統治体制が必要であると考えていた。博愛主義者は、奴隷に対してもイギリス本国と同様の法の保護が与えられるべきであるとして、入植者と総督を批判した。つまり両者の対立は、これら緊急事態の論理と法の論理の対立を反映していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近年盛んになっているイギリス帝国における博愛主義研究に帝国の法という観点から新たな知見を提供するものである。さらに、緊急事態の論理と法の論理という二つの立場の違いを明確に析出したことで、それを基準として、イギリス帝国の他の植民地(カナダ、南アフリカ、インドなど)、フランスなどの植民地、そして日本帝国の植民地との比較研究への可能性を拓くものである。
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