IRE1α阻害薬KIRA(kinase-inhibitory RNase attenuator)の1型糖尿病モデルマウス(NODマウス)に対する長期にわたる有効性や耐性出現の有無は不明である。NODマウスにおいて、一度確立された糖尿病を治療するReversal studyを発展型KIRAであるKIRA8 を用いて行うべく、現在コロニーを増やしている。本研究ではReversal studyにてKIRA8の治癒効果が長期(>20週)に耐性を示さず認められた場合、仮説「NODマウスにおいてKIRA8は1型糖尿病に対する治療薬として長期に有効である」は正しいと判断する。副次的評価項目(β細胞機能とβ細胞量)の2群間での比較は主要評価項目(治療効果)が当初計画どおりに進まない時のバックアップ実験とする。Pre-diabetic studyはReversal studyの主要評価項目(治療効果)および副次的評価項目(β細胞機能とβ細胞量)の両者が当初計画どおりに進まない時のさらなる(2次)バックアップ実験とする。 メスNODマウスの50-70%程度しか糖尿病を発症しないことから、研究に必要なコロニーを得るまでに半年から約1年を要する。その後、16週齢より20週以上の処置・観察期間を要することから、充分な個体数での結果を得るのにさらなる日時を要すると考えられる。現在、研究に必要なNODマウスのコロニー数は順調に増えており、研究は概ね計画通り進んでいる。
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